こちらは、北陸支店 軌道課 福井軌道作業所です。
当作業所では、現在開業中の北陸新幹線 金沢以西となる金沢~敦賀間の
新幹線線路延伸工事のうち、福井工区とあわら工区の軌道新設を行っています。


本年2月に当軌道工事の概要についてご紹介しましたが、
第2弾となる今回は、2工区の進捗状況のほかに、
レールの製造場所や搬入方法のほか、今回の軌道構造の主体となる「スラブ軌道」について
ご紹介します。


【福井工区 進捗状況】
福井県福井市および坂井市にて約14 kmの軌道新設を行う福井工区においては、
4月7日(火)に、約20名の報道関係者が見守るなか、8工区の延伸区間全体で
初めての作業となるレールの送り出しを行い、本格的な軌道敷設がスタートしました。
現在は、高架上にスラブを吊上げ、調整作業や弾性をもたらすため
スラブの下にCAM(セメントアスファルトモルタル)を注入する作業を行っています。





レール送り出し作業の様子







仮軌道敷設





スラブ吊上げ                     





スラブ設置





スラブ調整                     





CAM注入




【あわら工区 進捗状況】
福井県芦原市および坂井市にて約15 kmの軌道新設を行うあわら工区においては、
6月に軌道基地が完成し、現在レールの搬入を行っています。
今後は高架上にレールを吊上げ、仮軌道の敷設を進めていきます。





軌道基地レール搬入の様子




【レールについて】
現在は1901年に創業した官営八幡製鐵所の流れを汲む北九州市八幡の製鉄所で作製されたレールを
使用していますが、今後は広島県福山市の製鉄所で作製されたものを使用する予定です。
1本の長さが25mにもおよぶレールを、運送会社が海上・陸上輸送を行い、
軌道基地に搬入されます。
福井港から当工区へは、ポールトレーラー(長尺かつ分解しにくいものを運搬するトレーラー)
にて夜間に運び込まれます。


上記のルートで搬入されたレールは、当社が高架上に吊上げて貯積していき、
それを溶接会社が8本溶接することで長さを200mにしたのち、延伸作業を行います。
この作業を「仮軌道敷設」といい、関係会社と綿密に打ち合せたうえで工事を進めています。


【スラブ軌道について】
当工事の軌道構造は「スラブ軌道」が主体となっています。
スラブ軌道とは、コンクリートの路盤上にコンクリート製のスラブ板を設置し、
その上にレールを敷設する構造で、東海道新幹線等で採用されているバラスト軌道
(砕石や砂利などのバラストを敷き枕木の上にレールを敷設する構造)とは異なっています。
高速走行時の安定性がより高く、敷設・保守作業のコスト面においても優れており、
主に新規で建設される高架橋箇所等で採用されています。


施工フローは、福井工区にて既に進められている
仮軌道敷設 → スラブ敷設 → スラブ調整 → CAM注入 の後、
レール面の調整 → レールの下に可変パッドの挿入 → レールを緊締する作業 
となっています。








スラブ軌道施工後写真(当社が平成26年に施工した北陸新幹線津幡軌道)



今後も安全第一で施工し、進捗状況について随時ご紹介いたします。