こちらは、名古屋支店 教育館移転改築工事作業所です。
昨年12月に続き、当工事の内容をご紹介いたします。




今回は、“施工BIM”を使用した取り組みについてご紹介いたします。

まず“BIM”とは、「Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)」の略であり、
三次元の建物デジタルモデルをベースとして設計・施工から維持管理まで、あらゆるフェーズで
情報活用を行う新しいワークフローのことです。
その中で、今回ご紹介する施工BIMとは、施工段階でモデルを作製して取り組むBIMのことです。


当現場は、交通量の多い道路や高速道路に近接した作業が多いこと等から質の高い計画性が
求められました。
そこで、施工計画の効率化とICT(情報通信技術)強化のため、施工BIMを導入して
「施工計画の見える化」を行い、施工性や安全性をあらゆる角度から迅速に検討することで、
建築生産性向上の一助となっています。




<施工BIMを使用した取り組み>

①安全な施工計画
例:(鉄骨工事シミュレーション)
従来の鉄骨工事の安全性検討ではクレーンを選定する際に、
設置位置を決めて作業半径を出し、鉄骨と干渉しないようブームの長さや角度を決め、
性能表を見ながら2D検討図を作成していました。

BIMを使用しての3D検討では、さまざまな仕様がプログラミングされたクレーンモデルを
何通りも置き換えて検討することが可能であるため、安全率を考慮したクレーンの選定が
できます。




鉄骨とクレーンの離隔についても、2Dでは困難な角度でも3Dでは容易に確認ができ、
ブームのたわみも細かく考慮することで、安全性の検証などが可能となりました。





また、3Dに時間軸をプラスした4D施工ステップも作成し、プロジェクト関係者の打合せや安全教育に活用しています。








②具体的な安全指示
各社員に配布されているタブレット端末に3Dのデジタル模型を入れ、
現場での安全指示に活用しています。




例えば、その日の完成形のイメージを見える化し、作業手順の相互確認と要注意箇所を
ピンポイントで示すことで、作業員との意思疎通や理解度の向上に繋がっています。





③感受性を高めた安全教育・指導
現場では社員間や協力会社・別途業者と3Dを取り入れた施工打合せや朝礼を行っています。
各段階を見える化した具体的な打合せ、安全指示を行うことで関係者全員の注意力を引き付け、
一体となって考え、リスクの芽に気づきを得ようとする心構えを高めています。





次回は、「けんせつ小町工事チーム」(日本建設業連合会No.220「IZUMI小町」)としての
活動についてご報告いたします。




( 2月22日現在 現場全景 )