こちらは、北陸支店 軌道課 福井軌道作業所です。
当作業所では、現在開業中の北陸新幹線 金沢以西となる金沢~敦賀間の
新幹線線路延伸工事のうち、福井工区とあわら工区の軌道新設を行っています。

本年2月、7月に続き、2工区の進捗状況についてご紹介します。


【福井工区 進捗状況】
福井県福井市および坂井市にて約14 kmの軌道新設を行う福井工区においては、
4月より本格的な軌道敷設がスタートしており、現在は分岐器敷設区間で
「合成マクラギ直結軌道」を施工しています。




福井軌道基地より福井駅方面




合成マクラギ直結軌道 施工中



【合成マクラギ直結軌道とは】
「マクラギ」とは、レールを固定して間隔を一定に保つとともに
車両の荷重を道床へ分散させるためにレールの下に敷かれる部材です。
古くは「枕木」と表記され、その名のとおり木製でしたが、
より抵抗力・耐久力に優れたコンクリート製のマクラギが生まれ、
現在は、コンクリート製のものが主に使用、木製からの取替が行われています。


今回使用する合成マクラギとは、ガラス繊維とウレタン樹脂との複合材料で製造され
コンクリート製のものと同程度の強度でありながら、軽量性に優れており
分岐位置に合わせて必要となる高さや長さ等の加工・調整が木材と同様に
容易にできるという特徴を持っています。


当工事の主な軌道構造は、前回ご説明したとおり、コンクリートの路盤上にコンクリート製の
スラブ板を設置し、その上にレールを敷設するスラブ軌道(マクラギが無い)ですが、
分岐器敷設区間等については、レールの温度伸縮を吸収し、線路破壊等に直結する大きな
軌道変位を生じさせないために、合成マクラギが使用されています。
その際、路盤鉄筋コンクリートに直接ボルトで軌道を締結する構造となるため
「合成マクラギ直結軌道」と呼ばれています。




敷設位置測量確認作業




マクラギ下合成樹脂注入作業



【あわら工区 進捗状況】
福井県芦原市および坂井市にて約15 kmの軌道新設を行うあわら工区においては、
6月に軌道基地が完成し、基地から福井方に向かう柿原トンネル内において
仮軌道・スラブ敷設のほかスラブの下に弾性をもたらすためのCAM
(セメントアスファルトモルタル)注入作業を行いました。


また10月より基地部金沢方においても、仮軌道・スラブ敷設、工事用渡り線設置を
開始しており、今後は構造物の進捗に合わせ軌道工事を延伸していきます。




工事用分岐器組立作業




ロングレール運搬作業




スラブ敷設・調整作業




スラブ下へのCAM注入作業



日に日に寒さが増す季節となりますが、
今後も安全第一で施工していきます。